漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

暗闇の中の題名のない発表会 感想

■先週の土曜日に、多機能型事業所エールアライブさんの地下室で「暗闇の中の題名のない発表会」が開催されました。エールアライブの皆さん、参加してくれた皆さん、ありがとうございました!
■まず一言でいうと、凄く楽しかったです。普段の題名のない発表会では、「趣味」や「好きなこと」などを話す人が多いんですが、暗闇では「実は○○がとっても苦手で…」とか、「自分が××を克服するまで」など、暗闇だから?いつもとはちょっと違う話が出てきました。という私も「人前で話すのが超苦手で緊張しちゃって。」という話を人前でしました。
■前に見学に行った時に地下室があまりにも真っ黒だったので、参加者の皆で明るさを調整しようと懐中電灯を用意して行きましたが、逆に明かりがあると気が散るということで結局全部の明かりを消して真っ暗な状況でやりました。ドキドキ。
■今回はいつも参加してくれる5人の参加だったので、1人20分間程度発表しました。普段の発表会では「20分も話せるかなー」という声をよく聞きますが、今回はほとんどの方がペラペラと20分では足りないんじゃないかってくらいな勢いで話していました。暗闇の中の発表会では、指や手で大きさを表して、「これくらいの大きさで、」とか、「これくらい広い場所で、」等といった視覚に訴えることは出来ません。なので皆一生懸命言葉を探して伝えていました。「これくらい…えっと、500mlくらい!」とか。普段、身振り手振りで相手に伝えていることの多さを実感しました。
■そして聞く側も、いつもより聞きやすかったです。普段人の話を聞く時、話している人の方を向かないで下ばかり見ていたり、よそ見をしていたり、無反応だと、ちゃんと聞いているのにこの人私の話聞いてないのかな?っと思われる事があると思います。でも今回は暗闇なのでそんなことを気にする必要はありません。実際私は足を組んで腕を組んで顔は下の方を向いていました。この「自分が聞きやすい態勢で聞けること」が暗闇の効果の1つである「表情が隠れることによる開放感」に繋がり、「聞きやすさ」になっていたのだと思います。
■せっかく暗闇を体験してもらうのだからと、今回発表会が始まる前に参加者に飲み物を配りました。何が配られるかはランダムです。コーラ、お茶、リンゴジュース等を用意しました。しかし皆ペットボトルの形で中身を当ててしまう。次やるときは紙コップにうつしてから配りたいと思います。
■暗闇の効果である「容姿の欠点を隠してくれる事による安心感」「表情が隠れることによる開放感」により、参加者の方はいつもとは違った話しやすさ、聞きやすさを体験出来たのではないかと思います。とても楽しかったので、今回だけで終わらせずに今後も続けていきたい。