漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

腕を突っ込んでしまう人

デンマークだったか、堤防の亀裂を見つけた少年が自らのを腕を突っ込んで、命と引き換えに決壊を止めたというお話があった。市民運動を始める人というのは俺も含め、あの少年に似たところがある。なんらかの問題を見つけたら、誰かに相談したり報せたりする前に、まず自分の腕を突っ込んでしまう。市民運動が大きくならないのは、片腕を取られたまま、もう片腕だけでほかの活動をしようとするからだ。半人前の働きしかできなくて、大きくなるわけがない。

■で、腕を突っ込んでる自分にお金をつけて、というのが行政への助成要請だったりするわけだけど、これだと自分ひとりしか購えないので、やはり団体は大きくならない。

■市民団体の本筋は、活動内容に賛同してもらい、会員を増やして組織を回すことだ。こうやっていろんな人が腕を突っ込んでいるおかげで保たれている堤防は、おそらくかなりある。市民団体の会員になることは、または寄付をすることは、税金を払うのと同じ社会維持のための仕組みなのだという理解がもっと広まるといい。「税金+市民活動参加(応援)=まちづくり」だと。

■そういう空気を行政はつくってもらいたい。亀裂をふさいでる人がいるんですよ、と知らせてほしい。市民活動への参加、応援をまちづくり計画に位置づけてくれないか。さぽーとほっと基金はなかなかいい仕組みだけど、寄付の意味までは伝えていない。「ふるさと納税」はいつの間にかかなり定着した。あのやり方は見倣っていいように思う

■という話を、札幌市長候補、秋元克弘さんと話すまちづくりイベントでしてきました。ほんと、早く俺の腕を自由にしてくれ。でも、そうしたら多分また別の亀裂に突っ込んでしまうんだろうな。(3/2午前)