漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

表ありゃ裏も

■山田が中庸云々の話をしたのは豊富町での講演会だよ。中庸は中道よりむしろ止揚に近い、というようなことを言っていた。

■午前中は、スタッフ志望者5人を迎えてのトレーニング。実は新人トレーニングは初めてなのでした。タイミングが合わず、これまではいっつも山田がやっていた。山田トレーナーと相馬トレーナーで、その後に違いが出たら面白い。今回は「中庸」の話まではいかず。次回に持越しだな。

■その後、訪問1件。いよいよ来週に迫った私立高校受験を前に、日程変更で呼ばれたのだ。中1から通っているが、本当に成長した。本人まだまだ不安なようだが、不安な中にも、手応えは確実につかんでいるはずだ。あとはそれに気づけばいい。

■数年前から、私立高校は2校受験できるようになった。俺の頃は1校だけだった。合格の可能性は高まったが、受験の負担は増えた。良いことが増えれば悪いことも増える。良いことだけというのはなかなか難しい。

■学校復帰の手法に、今日は玄関まで、明日は玄関の外まで、明後日は門のところまで、と次第に外出距離を延ばしていくものがある。そうやってひとつひとつの障害を小さくすれば、それぞれのクリアは容易くなるだろうが、越えなければならない関門はむしろ増える。ひっかかるポイントをやたらにこしらえるわけで、かえって大変になるとも言える。それよりは、仮令段差は大きくとも、たった一回の挑戦で越えられる方が楽だ、ということもあるだろう。だから、スモールステップという考え方も俺はちょっと疑っている。何事も相手に依る。そして、ベターと思った方法にも良い面と同じだけ悪い面がある。文字にすれば当たり前だが、当たり前がなかなか当たり前にはいかなくて、さて、次回のトレーニングでそれを伝えられるかしら。


本日の脳内BGM:メモリーグラス(堀江淳