漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

闇でいいじゃないか

■先々週だったか、ある訪問先の子がこんなことを言っていた。「中学の頃、何をあんなに悩んでいたのかわからない」。そりゃそうだろう。昨日の自分がわからない。それを「成長」という。理解に飛躍が伴うように、成長も飛躍が伴う。連続なんてしていない。途切れ途切れにポンと飛躍して、いったん飛躍したら、もう元には戻れない。昨日と今日では別の自分だ。

■自分とはそんなに一貫したもんじゃない。「君子豹変ス」という。それはつまり、未来は自由、ということでもある。未来が、または自分が連続した一続きであるなら、これからの自分のいちいちが今までと結びつけられてしまう。それじゃ、過去にがんじがらめにされて身動きできない。もっとも、そんなふうに信じ込んで動けなくなってる子供も少なくない。

■「成長」に連続性はない。一貫性もいらない。あるのは、あれ、という驚きだけだ。それを「一寸先は闇」と取る人もいるかもしれないが、闇でいいじゃないか。過去に義理立てして驚きを封じ込めちゃもったいない。驚いて、そして喜んで欲しいと思っている。

■先月からのイベントラッシュがようやく終わり、気がつけば今年もあと3週間ばかり。月日の経つのは早いなあ。明日からまた新たな1週間が始まる。