漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

体験談は好みじゃないが

■昨日の「不登校トーク&Café」は60名近くの参加がありました。病院のスタッフに教育委員会、子ども未来局の職員も来てくれた。以前、ネイパル森でお世話になった方が、学校現場に戻ったのでと足を運んでくれたのもうれしかったな。

■内容の詳細は山田にゆずって、企画の内幕について少し書く。

■俺個人は、体験者の話というのがどうも好きになれない。なので、フリースクールネットの企画でも、これまでなるべく避けてきた。人は誰かのサンプルになるためにいるんじゃない。体験談を聞かなきゃ状況が理解できないなんて怠けてるんじゃないか、というのがひとつ。話している人は、たまたま学校へ行っていない時期があったというだけで全然関係のない赤の他人なんですよ、というのがひとつ。「当事者」なんていったりするが、学校に行かない子がいたとして、その「問題」の「当事者」はその子でもあり、家族でもあり、先生でもクラスメイトでもある。話を聞かなきゃならないのはその人たちからだし、話さなきゃならないのは自分だろう。

■と、それでも今回企画したのは、ボランティアスタッフの山川くんから「自分の経験を人前で話したい」とリクエストがあったからだ。昨年10月の全道のつどいで三名の不登校体験者が話をした。それがたいそう心に残ったらしい。自分もおなじように話したいと思ったんだそうだ。

■そういうことなら話は別だ。個人がみずからのため自身の体験を語るのを止める理由はない。それでまわりも得るものがあるならなお良い。彼が三名の体験談に触発されたように、今回の彼の体験談が聞いた誰かを動かすかもしれない。自分のために自分の話をする。そんな流れができたらいい。

■さて、話してみて本人はどう思ったか。今週木曜の日誌を待とう。

2月5日追記:
■体験談のあとを「相談」じゃなく「おしゃべり」にしたのはよかったと思う。みんなが自分の話をできる