漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

こんなところもある

■午前中に入れていたスタッフ研修を夕方と勘違いしていて、慌てて出かけた。

■新しいことを覚えるスピードは人によって違っていて、一つが身に着くまでは別の方法を教授しない方がよろしいということを、漂着教室に来ている子と勉強していて改めて教えられた日。

NPO法人育て上げネットというところで、家庭訪問支援士というのを養成する講座を始めることを知った。各地で訪問支援をしている人が集まって作っている。漂流教室でも、訪問のノウハウを公開できるようにしなければね、と話しているうちに、どんどん他の人がやっていく感じは歯がゆい。

■このサイトの「知識習得の大切さ」というところを読んでいて、自分たちがやっていることとの違いを感じた。このページでは、訪問支援者が当たる困難事例としてゴミ屋敷だった時のことや本人が接触を拒絶している時などが書かれている。確かに、その事例は大変だ。対応もデリケートかつ難しい。しかし、漂流教室をやっていて思うのは、この事例を列挙する前にちらりと書いてある「自宅/当事者自室に伺ったとき・・・」という部分にこそ、訪問の難しさがあるということだ。伺うのに、漂流教室は必ず本人の了解を必要とする。それ無しで訪問することはしない。本人と家族のコミュニケーションが取り辛い時には家族の相談に乗る。「本人の状況が大変」「何も話を聞いてくれない」と訴えてくる家族の苦しさは、本人の苦しさとは別個のものであるから、それを解消した上で、本人と家族がコミュニケーションを取ることを支援する。第三者である自分たちの出番は、その後であるとぼくは考えている。結構家族の持っている力はすごいのだ。

■ちなみに、生活困難の事例や接触を拒む事例についてエキスパートは、福祉や医療の現場で相談支援に従事している人たちだ。彼らは我々のようなぽっと出の人が行っているずっと前から、地道に行ってきている。2002年に漂流教室を始めたときに訪ねていった精神保健福祉センターでは、訪問したときにあるトラブルのことを心配された。それはつまり、彼らに相当のノウハウが蓄積されているということである。それを使わない手は無いと思うのだが、いかがか。

■それにしても、これもまた講座一式31500円なり。この間報道があった江別のとこもそうだったし、カルテルでも作っているのか。