漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

学校基本調査:不登校5年ぶり増加…「受け皿校」拡大

30日以上欠席した「不登校」の小中学生が5年ぶりに増加し、06年度は12万6764人になることが、文部科学省の学校基本調査速報で分かった。不登校の中学生の割合は、現行方式で調査を始めた91年度以来過去最高の2.86%に上り「35人に1人」となった。同省は「昨秋からいじめが問題化し『いじめられるくらいなら登校しなくてもいい』と考える保護者が増えたとみられる」と説明している。

 ◇保護者「いじめよりまし」

 今年5月1日現在で、全国の国公私立小中学校を対象に調査。不登校は前年度より3.7%(4477人)増え、小学生は同4.9%増の2万3824人、中学生が同3.4%増の10万2940人だった。

 不登校の小学生の割合は「302人に1人」(0.33%)。中学生では過去最高だった01年度より0.05ポイント上回った。小中学生合わせた不登校は「85人に1人」(1.17%)となる。文科省は「人間関係づくりが不得手な子供が増えているほか、家庭の教育力が低下した」などとも指摘している。

 不登校のきっかけ(複数回答)は、非行や無気力など「病気以外に本人にかかわる問題」が31.2%と最も多く▽「いじめを除く友人関係」15.6%▽「親子関係」9.3%と続いた。今回選択肢に加わった「いじめ」は3.2%。前回調査より学業不振や家庭内の不和の増加が目立つ。

 不登校が継続している理由(複数回答)は▽情緒的混乱31.7%▽無気力24.8%▽いじめを除く友人関係11.2%の順に高く、前年度から不登校が続いている小中学生は、6万1125人。中学生の場合、不登校の生徒の半数は、前年度から続いている。

 学校内外で専門的な相談や指導などを受けた小中学生は、不登校の児童・生徒の65.6%にあたる8万3153人で、学校内のスクールカウンセラー養護教諭などによる相談が多かった。指導の結果、登校するようになった小中学生は30.4%の3万8572人だった。【高山純二】

毎日新聞 2007年8月9日 18時52分 (最終更新時間 8月10日 0時30分)

■03年の不登校に関する調査研究協力者会議以降、文科省や各地の教育委員会不登校が減ったと話していた。しかし、どのフリースクールの人に聞いても、全然減っているとは思えない/むしろ増えているんじゃないのか、といった言葉が出てきていたのは、この日誌を読んでいる人ならおわかりだろう。今回、現場の実感が裏付けられたと言えるだろう。

文科省はこの増加をいじめられるなら学校を休むということにした子が増えたからと言っている。しかし、記事にあるように「いじめ」は今回から不登校の理由として選択肢に入ったわけで、これまでは見えてなかっただけだ。つまり、3.2パーセントの「いじめ」が不登校の増加原因かどうかは、前年との比較ができない以上まったくわからない。

■そして、あいかわらずの「家庭の教育力低下」「子供が人間関係を作れない」。学校に行くかどうかは家庭や子供にかかっていて、学校は関係ないというつもりか。この当事者意識の無さが腹立たしい。