漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

第9回星槎セミナー「学校・家庭・地域の新しい関係づくり」

■今回のセミナーは講師として参加した。他の参加者は小樽「海の会」代表だった鈴木祐子さん、当別町適応指導教室指導員の阿部貴美子さん。

セミナー前半では、各講師から講演を。阿部さんは当別町適応指導教室の現状と、今の子育て環境が不登校を生みやすい原因になっているのではないか、という話。鈴木さんは子供の不登校がきっかけで親の会を立ち上げたことや不登校理解のために色々な文献に当たり、最初にとても苦しむ人が多いことからそうした人向けのブックレットを作成したことなどを話していた。ぼくは「地域」と「連携」という言葉がそれぞれ二つの意味を含んでいるのではないかという話をした。それぞれ、地縁による地域/人が志向して集まる地域、情報の共有/情の共有、という面の融合をはかるのが学校の役割だという話をした。

■前半の三者の講演を受けて会場から質問を募集し、後半では質疑応答をした。ぼくがフリースクールだけで生計を立てているのか、という質問があったのは笑った(もちろんYes)。他に「教育とは何か」という大きな質問。これには講師三人困っていたが、質問者は重度の知的障害者を支援している人だったので、彼の中では「生計を立てられるように、大人が子供を自分たちが教わったことと同じことを伝える」という事で結論が出ていた。漂流教室としては、そうは思ってないと答えた。さらに「連携について、多職種ミーティングの事例があれば知りたい」という質問があった。これについては、障害児教育であれば個別教育計画を立てることはあるが、不登校についてはそうした事例を経験していないことと、そのミーティングをする時には当事者かその家族の要求に基づいて行われることが必要ではないかという話があった。

■「関係づくり」ということで地域や連携とは何かを考えて臨んだセミナーだったが、どうもうまくできた自信は無かった。しかし、主催者からすると今までの星槎セミナーの中でも最高のものだったらしい。それであれば幸い。