■ということで、場所を間違えて散々だったこの会議。基調講演には間に合わず、途中からの入場となったので、その分は山田に譲るとして、研究発表について。北海道立教育研究所プロジェクト研究E「不登校児童生徒の支援に関する研究〜地域SSCを中核とした実効性のある支援を実現するために〜」は正直期待はずれだった。ちなみにSSCとはスクーリング・サポート・センターの略で、スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業(SSN)の地域ネットワークの拠点となる機関のこと。
■研究が平成15、16年度の2ヵ年計画のため、中間報告しか出来ないという事情はわかる。それにしても、文部科学省のデータを引っ張ってきただけの統計や、具体的なことが何一つ書かれていない下のような報告で、一体何をどうしろというのか。
<実効性のある支援プログラム>
・学校における教育相談体制の充実
・学級の状況の的確な把握
・児童生徒一人一人の状況の的確な把握 〜児童生徒の状況の早期把握の工夫
・個に応じた援助プランの作成 〜校内支援体制の確立
・家庭訪問の充実
そんなことはもうみんなわかっている。問題はその先なのに。つまることろ、これは前提の確認なのだ。現在このような状況にあるようです。それにはこれこれの支援策が有効と思われます。じゃあ、まあ、そういうことで。シャンシャン。そう考えれば、今更「怠け休み」から始まる「不登校についての考え方」の変遷を説明するのも納得がいく。「中途報告会」ならまだわかる。しかし、「研究成果交流会」でそれはないでしょう。「成果」なんて、見た限り「パワーポイントを上手く操れるようになった」くらいしか見つからない。
■結局、はっきりしたのは、この支援プログラムが「学校復帰」を目指したものであることと、今後不登校はSSCを中心として地域ぐるみで動いていくのだということの二点だけだった。この二点セットは余りいい傾向じゃない。
■その後の全体討論では、今までに実践された様々な支援策や研究結果を載せて欲しい、大学教授の論文や民間団体の実践報告またフリースクールなどの情報を載せてくれ、といった要望が会場から出た。俺の「学校と家庭および子供たちの間を、教師ではなく第三者が関わって連携をとる体制を考えてはどうか」という発言には、「そのような支援体制を組むことは必要だと認識しているし、そのために地域の人材を把握する仕組みも検討している」との回答。いろんな人、それこそ近所のおっちゃんやおばちゃんでも、が子供の成長に関わることが必要だ、ということでは意見の一致をみるのだが。それは必ずしも「学校復帰」とは結びつかない、いや、むしろ切り離した方が上手くいくと俺は考えるが、そのギャップをどう乗り越えるかだ。