漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

道一本

■陽性患者数が連日の100人超え、警戒ステージが「3」に上がり、すすきのの店に22時以降の営業自粛要請が出た。しかし「すすきの」という地名はない。それで急遽、区割りを決め、道一本挟んで営業自粛かそうじゃないか分けられる事態になった。

■学校休校はない。通勤自粛要請もない。そもそも移動制限がない。GoToキャンペーンと齟齬が生じるからだろか。だいたいが北海道全体をおなじ警戒ステージで統一する必要があるのか。振興局単位、市町村単位でいいのではないか。いろいろな疑問を置き去りに、恣意的に区切られた「すすきの」だけが規制される。

開高健の『流亡記』はある小さな町に秦の始皇帝の軍隊がやってくる場面から始まる。兵たちは町の真ん中に綱を張り、そのとき右側にいた男だけを万里の長城建設のため引っ立てる。老人だろうと病人だろうと、およそ労働力としての適不適は考慮されない。綱のどちら側に住んでいるかも関係ない。あるのは為政者の引いた線引きだけだ。

■と、愚痴ってばかりいても仕方ない。次期アメリカ副大統領となる予定のカマラ・ハリス氏も言っている。「民主主義とは状態ではなく行為だ」「人民には、よりよい未来を築く力がある」ってさ。

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