漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ない袖をふって

■二年前、札幌自由が丘学園が授業料減額措置を始めたという記事を書いた。あれからずっとこの制度は続いて、じわじわと団体の体力を奪っている。だが、望んでいる生徒がいる以上やめるわけにはいかない。実に四割の生徒がこの制度を使っている。

■それでクラウドファンディングで資金を集めることにした。金額は200万円。期限は10月31日。なんとしても達成してもらいたいと、応援文を寄せた。以下、転載。

ホームページで札幌自由が丘学園の時間割を見る。月曜から金曜までの週5日制。朝9時半から午後3時まで一日四時間の授業があり、主要五教科のほか体育や美術、調理も学ぶ。さらに登山、ヨット体験、宿泊学習、学園祭、スキーやスケートに職業体験など行事も豊富。これで授業料はいくらが妥当か。月7万円か。それとも8万円か。

正解は3万6000円。手元の学習塾のチラシには、90分授業が週に三回で月額3万2000円とある。札幌自由が丘をはじめフリースクールの利用料は驚くほど安い。義務教育は無償だからというのがその理由だが、学校には生徒一人当たりに換算して月10万円ほどの税金が投入される。一方、フリースクールにはなにもない。しかたないから足りない分は人件費を抑えてどうにかしている。

それなのに札幌自由が丘では二年前から授業料の減額措置をはじめた。経済的な理由で利用をあきらめざるを得ない家庭があるからだ。

今回、クラウドファンディングを使って奨学金制度をつくるという。だが、それで団体が潤うわけではない。もともとの金額が低すぎるのだ。それでも、利用できない子をひとりでも減らそうと、ない袖を振ってしのいでいる。

子どもたちが、気兼ねなく学びたいところで学べるよう、まずはこの奨学金制度を応援したい。だが、それだけでは足りない。この仕組みを来年度以降も続けるため、ぜひ賛助会員になって継続的に札幌自由が丘を支えてほしい。そして無理に人件費を抑えなくてすむよう、サポーターの輪を広げてほしい。

こういう話は当人からはしづらい。だが、黙っていては知られない。知られなければ変わらない。以上、多少とも事情を知る者として勝手に書いた。この文が多くの人の目にふれることを願う。

クラウドファンディングのページはこちら(↓)。ぜひ寄付して、また拡散して、目標達成を手伝ってほしい。
https://camp-fire.jp/projects/view/81670