漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ライセンス

■午後の訪問先の子は、高校を出て就労継続支援B型のとこでトレーニング中だ。その彼が免許を取りたいと話してきたのは、施設に入ってすぐの春先だった。それから半年。今週ようやく免許を取得した。おめでとう。ちなみに半年かかったので、住民票の期限が切れて取り直すというハプニングもあった。これは自分もやったので、笑ってしまった。

療育手帳を持っているくらいなので、免許を取得するに当たって学科講習、実技共に心配している部分はあった。実際大変だったのは、何よりも試験だった。○×式の試験だが、正答率が仮免で8割、本免で9割求められる。中学校でも高校でも試験はあったが、それくらいの正答率をクリアする学習を彼はしたことが無かった。最初の仮免の時は6〜7割をうろちょろしていた。そこでやり方を尋ねてみると、とにかくわーっと解答しておしまいだとわかった。すべてのやり方を詰め込んでもできないので、まずは問題集で間違えた答えを見直して正解の理由を言葉にしてみること、次いで問題を解く際は理由を考えることの二点をやってみるように言った。2・3週間で仮免は通った。本免も同じように壁に当たっていた。今度は9割なので一ヵ月半ほど苦しんでいたが、無事合格した。

■一方で実技については、特に困っていないようだった。気にかけることは無かったのだが、取得後に母と家の車に乗っていて、危険予測と回避に不安があることがわかった。多分、自動車学校では教官が指示を出したりブレーキをかけたりしていたから問題無かったのだろう。彼が運転する時は、保険のこともあるので、基本母と一緒にということを、本人・母・山田の三人で確認した。

■そういう制約はあるものの、免許があれば色々なところも行けるだろう。身分証明にもなる。一歩大人の仲間入りしたとも言える。ビバ免許。(16日)