漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

バウムハウス見学

■高速道路を走ること2時間、伊達にある「情緒障害児短期治療施設バウムハウス」へ見学に出かけた。伊達インターのすぐそばある2階建ての白い建物。正面に太平洋、振り返れば有珠山昭和新山がそびえ、その向こうに羊蹄を望む。体育館と家族療法棟も併設、同じ敷地に病院と学校があり、50名の子が暮らす。

■英国雑誌の建築賞を受賞した建物は、6m四方の部屋が24個ランダムに配置されている。死角が多くて施設に向かない、と反対した職員に施設長の宮地さんは、目が届けば見えている思うのは幻想ではないか、と説得したそうだ。目の前にいたって子供の内面まで見えているとは限らない。事実、問題は全て職員の前で起こったそうだ。行動が子供たちのアピールなら至極当然のこと、と施設長は言う。

■子供らの部屋も見せてもらった。カードゲームやガンダムなど、見慣れたものが並ぶ。掲示物は部屋の中に限り、共有スペースには貼らないようにしてるのだとか。「××しないように」「××禁止」といった規則は、すぐにパワーゲームとして子供に影響を与えるからだ。

■子供らと長く付き合う姿勢、「出来ないこと」ではなく、付き合う中で見える変化を大事にすること、自分たちの限界をはっきり見つめた視点など、「漂流教室」に通ずる/参考になる部分がとても多かった。札幌児相のすすめもあって見学を決めたが、行ってよかった。まだまだやること、やりたいことは多いな、と山田と話す。

■帰りに「シュタイナースクールいずみの学校」へ寄る。今月末に豊浦への引越しを控えおおわらわ。迷惑な時期に行ってしまった。落ち着いたらまた来よう。