漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

隙間が欲しい

■訪問の合間に北海道自由が丘月寒スクールに寄ってきた。実は訪れるのは今回が初めて。建物の前は週に3回は通っていて、それを自由が丘月寒のスタッフに話したら、毎度素通りはあまりに薄情だ、と詰られた。それが先週の土曜。我ながら薄情だと反省し今日の訪問とあいなった。

■3階建ての建物で、入り組んだ面白い造りをしている。元は建築事務所だか設計事務所だったかなんだそうだ。機能的ではないが、その分"隙間"が多い。隙間が多いということは子供の逃げ場が多いということだ。逃げ場が多いということは、子供の適応度合いが高まるということである。

■2階の真ん中に小さな"子供部屋"があった。文字通り、子供だけしか入れない部屋だ。スタッフが入る場合は、ノックして扉の前で用件を告げねばならない。そういう場所が保障されてるのは素敵なことだな。「問題もあるかもしれないけど」と言いながら、スタッフも無くそうとは全然考えていない。

■うちもせめて屋上に出られたらな。もっと上手くいくに違いない。

■夜は月例のミーティング。今月で1年半に渡る訪問を終えたボランティアスタッフの言葉。「約1年半の訪問で、わかったことは、1年半で人ってこんなに成長できるもんだったんだ、変わるんだな、ということです。それだけ正面から向き合うというか、真剣に話を聴く、会話するというプロセスが大切なものなんだと感じました。時間単位、月単位ではわからないけれど、訪問を開始した日と今日を比較してみると、考え方も表情も別人のようだと感じています」。それを実感してくれたなら、もう何も言うことはない。