隣の犬は頭が悪い。
誰にでもやかましく吠えつき、飛びかかっていく。そのうえ、何のつもりかやたらに伸びる紐でつながれているので、好き勝手に往来へ出てくる。
それで、通行人に噛みついたり、あげく飼い主にも牙をむいて、とうとうよそへ送られることになった。そういう困った犬を調教し直してくれる施設があるらしい。明日、そこへ連れていく、鎖も頑丈なものを買った、と隣家の主人があいさつに来た。
その夜なにがあったのかは知らない。翌朝、くだんの鎖につながれていたのは隣の一家だった。
町のあちこちで犬が騒ぎだした。
…という気分です。