漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

初吹雪

■昨日は初吹雪でした。初の雪道運転が吹雪とはなんたる試練。でもまあ、冬タイヤだから怖くない。大丈夫大丈夫。と、思いながら駐車させていた車にエンジンをかけ、いざ走り出して気が付いた。左右両方のサイドミラーに雪が積もっていて周りがまったく見えない。なるほど、こういうことがあるのね。と思いつつ、一度停車させてサイドミラーの雪をほろいましたとさ。
■今日、漂流教室にノートパソコンがやってきました。今そのノートパソコンで日誌を書いています。後ろで相馬さんがパソコンを使って事務仕事をしている一方で、こうして日誌が書けるなんてなんだが不思議。今までは、パソコンを使いたい人は順番待ちだったからね。だがしかし、慣れないキーボードだと誤字脱字がいつも以上にひどい気がする。気を付けなければ。
■「入ったばかりの未経験者で、周りの子と全然一緒に行動しない。練習にも参加しない。『自分がいると皆に迷惑をかける』と言う。でも、毎日練習には顔を出す。どうしたらいいんだ。」という内容の相談を、友人から受けました。その友人は、サッカー少年団のコーチをしています。そこに最近小学生の男の子が入団してきたそうです。そして、上記のような困りごとがでてきたそう。
■ざっと30分くらい話を聞いて、あぁ、その子は自分に自信がないんだな。と思いました。そりゃそうだ。周りの子は自分よりも長く経験をつんできてるのに、一方、自分は初心者だもの。練習にも試合にも出たいけど、でたところでチームやコーチに迷惑をかけてしまう。コーチだって、どうせ上手な子のほうが可愛いんでしょ?下手な奴は邪魔なんでしょ?わかってるよ、そんなこと。練習したい、試合に出たい、上手になりたい、でも、そんなこと下手な自分は言えない。
■こんな、自分の中の天邪鬼な気持ちや、ぐるぐるまわる矛盾した気持ちと、日々戦いしながら練習に来ているんじゃないのかな〜と、思いました。でもきっと、練習に毎日顔を出すというとは、サッカーが好きなんだな、コーチや周りの子の気持ちを考えられる優しい子なんだな、と思いました。
■上手な人に下手な子の気持ちはわからないのです。できる人に、できない人の気持ちはわからないのです。初心者だけど、上手になりたいからみんなと一緒に練習させて!と、自分から輪の中に入っていける人に、この気持ちはわからないのです。集団に指導していると、全員に目を配ることは難しい。コーチも、チームを強くしたいがために自然と上手な子にペースを合わせるのが当然というえば当然。じゃあ、今回のような子はどうするの?そういうこは、無視され、周りから白い目で見られなきゃいけないの?
■長い前置きになりましたが、これってもしかして不登校のことと似てる?と、思ったわけです。学校に行きたくない、行きたいけど行けない、集団生活が難しい。そういった全体の中の一割にも満たない数の子どもは、無視されるだけの存在ではないはずです。そういった子の受け皿として、漂流教室は活動しているわけです。
■コーチや先生が、そういった子を無視しているわけではないと思います。実際、今回私の友人が私に相談してきたように、ちゃんとその子について考え、悩んでいるんです。ただ、手が回らないのも残念ながら事実。
■こういう時、漂流教室のような存在は必要なんだと改めて感じます。一緒に時間と空間を共有する人が大切なんだと感じました。