漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

麻雀の話し

■漂着教室に来る子供の中では麻雀が流行している。始まりはDSの麻雀ゲームを買った子で、麻雀を知らないのに買ってしまったので、やり方を教えたのがそもそもだった。ルールを覚えてその子と山田・相馬が遊んでいる内に、来室していた子がまたやりたいということで覚えていくことの連鎖反応が起こった。今日もまた覚えてみたい子に教え、またやっているのを興味津々で眺める子がいた。

■麻雀が出来るようになる中で、子供がたくさんのことを学ぶ。麻雀には上がりの形がある。それを目指して牌を持ってきて、自分の手の内で必要が無いという牌を自分で決めて捨てる。捨てる牌を考えるのは上がりに向かう可能性で決めるのが基本だが、決して一定ではない。自分で決めて、その結果を受け止めなくてはならない。上手く行くか後悔するかは自分のせいとも言えるし、持ってきた牌の偶然にもよる。更に対戦者が何を考え、どういう上がりを考えているのかを捨てられた牌や会話から考えてみることが必要になる。そして、ゲームを続けるためには一定の集中力を必要とする。小さな決断と論理的思考、そして偶然に左右される喜びと後悔がないまぜになる一時を、人と楽しみながら味わうことはそうそう出来ない。

■身近な遊びの中に、人を成長させる契機は潜んでいる。大人は自分たちがそうした中で学んできたことをすっかり忘れて、「学び」という言葉に縛られていることが往々にしてある。ぼくもともすればそうなりがちだ。いずれ頭が固くなってしまった日のために、これを書いておこう。