漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

福島への支援

福島県フリースクール等三団体(寺子屋方丈舎ビーンズふくしまチャイルドラインこおりやま)が、東日本大震災以後、若者支援や県内避難している子供の学習支援、生活保護世帯の児童生徒への学習支援を業務として増やしている。しかし、急激に増加した仕事と急遽募集した経験の浅いスタッフを支援することが急務となってきた。そこで、フリースクール全国ネットワークに加盟する全国のフリースクール等関連団体から、メンターとなる人を募り一年間マンツーマンで相談に乗る関係をつくっていこうという取組が始まった。25・26日は、その第一回研修行うために福島県磐梯熱海に行ってきた。

■県内避難している子供たちの数は、震災から3年近く経った今でも1万5千人近くだ。避難を選択する人/しない人、避難をした家族の同居/別居、身近な人たちとの別れ、新たな土地での友人関係等、様々なレベルでの「分断」が発生している中で、彼らは成長していかなければならないし、大人もその中で子育てをしている。支援者はそこに入り、分断状況から生まれる様々な問題に直面している。これまでの福祉や子育て、若者支援の枠を乗り越えた連携が必要なのだが、それは端緒についたばかりだ。自分と組むことになった人の同僚は医療の現場でソーシャルワーク経験もあり職人芸的にそれをこなしているようだが、それでは膨大な数の職人が必要となる。今回の事業が試みているのは、そうした職人芸を伝えることではなく、支援者自身が変化するために振り返りを中心とした成長の時間を保障するということだ。これは漂流教室のやってきたことと通じる。

■今後は、一か月に二回程度のスカイプやメール、電話を通じたやりとりが始まる。それに向けて、研修ではざっくばらんに話しをして、関係をスタートさせた。このあたりも、漂流教室の訪問を応用した感じ。自分たのやってきたことが、こと対象となる児童生徒・若者に対してだけではなく、支援者にも役立てることができるというのは、面白い。(29日)