漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

あそこから始まった

■雪の札幌だが新しい事務所は暖かい。今日みたいに晴れていると朝いちでも20℃を超えている。今日はストーブを点けなくてもよさそうだ。

楳図かずお死去。まだ山田が三重にいたころじゃなかったかと思うが、これからつくるフリースクールの形態について電話で話していた(山田は駅にいた記憶がある)。場所をかまえるにも金がない。じゃあいっそこっちから移動しようか。「漂流教室」だな。そうだ「漂流教室」だと一瞬で名前が決まった。理念が固まり事業内容もそれなりに決まったところで小学館楳図かずお宛に手紙を書いた。今度新しくフリースクールを始める。未来へ生きる子供たちへの敬意を込め『漂流教室』の名前をつかわせてほしい。しばらくして担当編集者より『漂流教室』という本さえ出さなければかまわないと承諾の返事が来た。

■その後、「楳図先生がサインを送りたいと言っている」と担当編集者より連絡があった。望外の申し出にぜひ! と大喜びで答えたが、まだ届かない。いつの日かロケットが降りてきて届けてくれるんだろう、きっと。(それか野球選手のミイラのなかに入ってる)

hyouryu.hatenablog.jp
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■前にも書いたが楳図かずおは子供から見える世界をそのまま描く。いろいろなものを混在させながら進み、いつか子供は大人になる。子供への圧倒的な信頼がそこにある。あのとき「漂流教室」と名づけていなかったら、小学館楳図かずおが名称使用を認めてくれなかったら、いまも団体は続いていたろうか。続いていたとして、おなじような活動をしていたろうか。つくづく、すべてがあそこから始まったと思うのだった。

■今日はたくさん人が来た。三和土が靴でいっぱい。