漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

あの宣言は

■千葉県のおこなった不登校児童生徒等実態調査の結果がおもしろそうなのだが、まだ読み込めていない。やることが多くてドタバタしている。前の引っ越しのときはまだ任意団体だったからなー。法人の引っ越しがこんなに大変なものだとは。

www.pref.chiba.lg.jp

■法人といえば全国不登校新聞社が解散していた。

6月末に社員総会を開いて解散を議決。いまごろは選ばれた清算人が清算業務に当たっているのだろう。年内には解散すると2月末の段階で発表していたので不思議はないが、それにしても早い。そしてずいぶんあっさりだ。たった一行の報告。会員にはもうすこし詳しく説明しているのかもしれないが。

■「不思議はない」と書いたがひっかかってはいる。5月、中日新聞に「『不登校新聞』電子版も配信終了に 不登校オンラインに記事提供へ」との記事が載った。有料版のためすべては読めなかったが、「1998年に創刊した不登校新聞の銘柄はなくなる」「電子版の配信を委託してきた会社のサービスが5月末で利用できなくなるためで、今後は別の会社が運営するサイト『不登校オンライン』に、同法人が記事を提供する」とあった。「不登校オンライン」は株式会社キズキの提供するサービスだ。不登校新聞掲載の記事も転載されている。だが「今後」「記事を提供する」はずの法人はなくなった。これからは個人が提供するのか。それともキズキの社員になるのか。

■2月末の段階では「WEB版『不登校新聞』発行、『親コミュ』運営は譲渡後も引き続き継続」となっていた。キズキのサイトに「親コミュ」のページはある。かたや不登校新聞はなくなった。記事はほしいが「不登校新聞」の名は不要ということだろうか。そもそも合意後に譲渡先は発表されるはずだった。それとも、これも会員には伝えているのだろうか。

■なにもかもをうやむやにひとつの法人と新聞が消える。消えて「それっぽいもの」に姿を変え、なにもなかったかのように活動を続けている。うやむやにされたものにはシューレの事件も含まれる。「何一つ損なわず」「続けていく」はずだった「『不登校新聞』の文化」とは一体なんだったのか。あの高らかな宣言はまだ生きているのか。