漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

補助金はほしいが

■大阪二日目。昼過ぎには飛行機に乗るので観光はせず、宿の近くの公園でぼーっと過ごす。暖かい、というか暑い。札幌の6月上旬くらい。それなのに咲いているのは梅やらモクレンやら、初春の花で変な感じ。

■昨日の研究会でも公的補助の話が出た。まじめにやるほど収益にならんし、行政の尻ぬぐいをさせられている感もある。金よこせと言いたくなる気持ちはわかる。

■一方で、札幌市のフリースクール補助を受けている身としては、補助金があっても運営は楽にならないと伝えたい。いや、むしろ苦しくなる場合もある。

■まず、補助金は使途と金額が決まっている。札幌市だと人件費につかえるのは年額126万円までだ。月額10万5000円。これだけでは暮らせないので、団体持ち出しが出る。

■しかも新規採用に限る。二年目は自団体で雇わねばならない。家賃補助もおなじで、新規借り上げ分に限り補助が出る。あくまで活動の支援であって運営費を負担しているわけではない。公金で継続雇用すると「公務員」になってしまう面倒もある。

■現在はそこまで厳格に運用されてはいないが、いつ規定どおりになるかはわからない。急に二年目の雇用が認められなくなればどうなるか。ここが第二の問題で、補助で広げた活動は、それがなくなったとたん機能しなくなる。業務委託もそうで、それなしでは活動できない、麻薬のような性質がある。

■団体が健全に“なってしまう”問題もある。公金で雇う以上、あいまいな雇用は許されない。就業規則をつくり残業代を出し、社保を支払う。本来、当たり前なのだが、人件費を削って活動費を捻出している団体は多いはずだ。

■まあ、団体が健全になるのはいいことなので、我慢して受け入れよう。ちなみにこの変化は家庭への補助では生まれない。

■結局、補助金はあくまで一時的なものと考えるのがいい。補助金をもらい、人を雇い、補助金が不要な運営体制を築く。それが本道なのだが、そう簡単に儲かれば苦労はない。さて、どうしたものか。

■最後に当たり前の話を。補助金制度を求めて運動を起こす際は、そもそもフリースクールの運営にどれくらいかかるか試算しておいた方がいい。わずかでももらえたらいい、じゃなくて、これだけ必要だからいくら寄こせと言うのがいいです。もちろん無理と返答されるだろうけど、ほかの事業や寄付と組み合わせての道筋が見えやすくなるので。