漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

講演2つ

■金曜日は長距離移動の日だった。札幌と倶知安の往復。

倶知安に行ったのは、後志総合振興局ケースワーカーの人たちに学習・生活支援事業の説明をするためだ。元々1月に予定されていたのが悪天候で延期になったもの。内々の研修なので、これまでの事業で出会ってきた利用者たちのケースを10ばかりセレクトして、生活保護世帯や困窮世帯で暮らす子供の、こんな困りごとに使えますという話をしてきた。

■すると反応として出てきたのは、学習支援はもっとメインでやらないのかという質問だった。元々この事業は学習支援をする場を設定して子供の様々な悩みを相談支援できる関係性を構築することが目的なのだ。釧路のネットワークサロンが始めたこの形を厚生労働省が取り上げて全国展開を目指してモデル事業にしたのが2010年。それが正式に全国で事業となったのが2013年。まあ最初から危惧はしていたのだけど、「学習支援」という言葉に引っ張られて、無料学習塾的な受け止めを利用者も含めた関係各方面がすることが、時間が経つと共に多くなってきた(これは事業を実施している団体でも進学率を成果として上げるところが散見された影響もある)。今じゃ、北海道内でも家庭教師会社が入っている地域も複数ある。後志は漂流教室がモデル事業の時から居場所・相談支援の機能がメインということを延々と話してきたのだけど、いよいよ振興局職員からも学習支援を強める方向の話が出てきたか、と感慨深かった。丁度同日、次年度事業のプロポーザル参加申込をしたので、次年度はそちらの方向性も加味せねば事業継続担当は危ういかも、と思った。

■その後、中山峠経由で札幌に戻ってから、北区役所で福祉事業所の集まりに出席して、今度は漂流教室の実践について報告した。福祉制度ではカバーすることの出来ないような、不登校を中心とした子供・若者の悩みに、相談支援事業所やヘルパーなどと共に関わってきた事例を6,7ばかり紹介した。これは誘ってくれた星槎の児童デイの人に感謝したい。そして、この児童部会を主催した児童デイの方は個人的にも話したいことが色々あるということだったので、その内遊びに行きたいと思っている。だってうちから徒歩5分くらいなんだもん。(3/16)