漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

公設塾のこと

◼︎三連休で月曜日が休みの時はちょっと嬉しい。元気が貯まる気がする。

◼︎以前話しをした「多様な教育機会を考える会」(教育機会確保法を元としてクリティカルに教育を考えている集まり)で、北海道でオンラインの公設塾をやっている高嶋さんが話しをするので参加した。大学生の時に漂流教室にやってきて話しを聞いてくれたりした人だが、もう三十代である。時の流れは早い。

◼︎北海道では16の自治体が公設塾を開いているが、そのほとんどが私企業と契約して塾を運営する形である。しかも、2社が複数の自治体で契約を結んでいる。契約の形は自治体によって様々で、単年度もあれば複数年度もあるが随意である。後志の学者支援事業は単年度のプロポーザルで選ばれれば契約する形なので、そこは羨ましい。

◼︎道内では高校のない自治体が53ヶ所、1校のみある自治体が96ヶ所だという。高校があるとは若年層の育成環境が整っているということであるが、そういう市町村はとても少ないことがわかる。なので、そうした市町村の中学生は、高校進学時になると近隣で複数の高校がある都市に行く傾向がある。そして、高校から後は更に大都市へ進学・就職し、地元に戻ってくることが少ない。これに歯止めをかけたい行政が考える施策として、公設塾は始まったようだ。

◼︎しかし、マチで発言力の強い高齢者が若者よりも自分達世代の福祉に金をかけるように言って動いたり、塾の存在を学校・地域にどう受け止めてもらうかに悩んでいたりする課題があるとのこと。この辺は、公設塾のベースが文科省マターではなく、厚労省内閣府にあることが関係するように思えた。学校ではない若者育成の仕組みを日本の社会は透明化して内包しているが、それを顕在化させると途端に衝突や反発を食らう。そこに経済という武器で突破口を開いたのが、教育機会確保法であるかもしれない。ただ、それは「教育」という括弧付きの何かを産んでそうだけど。

◼︎というのを夕方までやって、夜は夜勤。(土曜日)