漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

あおるタイトル

漂流教室では不登校新聞を購入している。不登校新聞社はサイトのほかnoteにも有料で記事を載せ、SNSで宣伝している。紙媒体が軒並み苦戦するなかがんばっているなと思うが、タイトルを見て「あれ? こんな記事、今号の新聞に載ってたっけ」と首をひねることがたびたびある。

■たとえば「次は教室へ」先生の一言が別室登校中の子の安心感を奪う理由|不登校新聞|note。この記事の紙面での見出しは「小学校は保健室、中学校は相談室『別室登校』をした私のキモチ」だ。また、記事に「次は教室へ」と先生から声をかけられたエピソードはない。語られているのは「『次は教室に行けるようにがんばってみようか』という働きかけがなかったから、別室登校を引け目に感じることはなかった」で、間違いじゃないが、noteの見出しとはずいぶん印象が違う。

■あるいは全文公開されているこの記事。【全文公開】不登校と「勉強の遅れ」塾探しの前に親がすべきたった1つのこと|不登校新聞|noteは、新聞だと「『勉強の遅れ』が心配…親の心構えとできること」だ。どちらが内容に近いか、ぜひ記事を読んでもらいたい。

■と、こうして話題にしてはいるが、記事とかけ離れた見出しをつけるなどけしからん、いますぐやめろと言いたいわけではない。次から次に情報が流れては消えるSNSで、自分のページへ誘導するには耳目を引かねばならない。この見出しも経営努力の賜物だろう。紙面を読んでいるはずの俺が「おや?」と目をとめるくらいだから、効果はあるのだ。

■とはいえ少々バランスは悪い。先生に知ってほしい、別室登校中の子へのNGワード|不登校新聞|note。この記事も、本文中に「NGワード」なんて文言は出てこない。「よかれと思った声かけも実は子供をしんどくさせるかもしれないから気をつけて」と穏当な指摘がなされているだけだ。やめろと言う気はないが、だまされた感じもなくはない。いまはどうも引っかかるなー程度だが、このあとはわからない。ほかの人がどう思っているかも、もちろんわからない。