漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

重石つきの自由

■あっという間に木々に葉が生い茂り、幹も地面もすっかり見えなくなった。まだ濃い薄いはあるが、そのうちきれいな緑一色になるだろう。

■「三年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークです」と連休中に何度も聞いた。行動制限のない理由はわからない。感染者数はこれまでのゴールデンウィーク期間よりずっと多い。各地のイベントもおなじ調子で開催されている。外国人観光客の受け入れも再開するという。よくわからないまま、なし崩し的に「元の日常」へ向かう。学校は4月から学級閉鎖の基準を大幅に緩めた。宿泊研修も修学旅行も予定どおりおこなわれるらしい。一方で「黙食」は続いている。なにもかも解禁になったわけではない。

■夏を前に屋外ならマスクを外してもいいんじゃないかと官房長官が言い、着用緩和は現実的じゃないと首相が言い、国が指針を出せと都知事が言って、これまたあやふやにものごとが進んでいる。つけるもつけないも任意のものにあえて言及する。まるで自分たちが決められるかのように。

■食事やらマスクやら、より個人的なことへ干渉する。実は行動は制限されている。真綿でくるむようにじんわり行動を抑え、そのうえで行事や行楽のたがは緩める。重石をつけられた人たちの自由な日常。