漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

学校で判断

■保健所がもう手一杯なので、そちらの施設でコロナ感染の疑いがあっても疫学調査には入れません。マニュアルを送るから自分たちで対処してください。報告もいりません。先週、そんな連絡が札幌市から来た。フリースクールに児童デイ、学童。そして学校も対象になっている。

■もう「濃厚接触者」の判定はない。陽性者が出たら「感染の可能性の高い人」を学校や事業所が割り出し、外出自粛と健康観察をお願いする。あんまり手間だからか、学校では陽性の生徒がひとり出たら七日間の学級閉鎖となった。クラスメイトの検査はおこなわない。

■家族に陽性者が出た生徒は出席停止措置となるが、その生徒のPCR検査はない。学級閉鎖または出席停止期間中の健康観察も学校ではしない。学習はオンラインでおこない、一定期間が過ぎれば復帰する。

■保健所の業務が逼迫しているのはわかる。しかし、これじゃ実質野放しじゃないか。陽性者が出るまで対応できない。陽性者がいるかどうかは、生徒や家族がプライベートで申し込んだ検査の結果報告を待つしかない。それまでは怪しいと思っても普段の生活を続けるしかない。逆に言えば、あえてはっきりさせなければ「かりそめの日常」を続けられる(どこかで破綻するが)。

■まずい施策と思うが、なにかがうまく転がれば学校の自治を広げられたりしないかな。各家庭の状況を顧みない一斉休校ではどうせうまくいかない。学校ごとに判断した方がいい。この状況を奇貨として地域と学校とで意思決定する仕組みができないかしら。なんてことを夢想した。

■まあ、検査体制の拡充はそれとは別に行政に要求しなくちゃならんがな。責任を個々に委ねるのでは自己責任の罠にはまる。オリンピック誘致のイベントにかける金と時間があるならコロナ対策につぎ込んでくれ。神奈川みたいになっちゃかなわん。

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神奈川県は26日、医師の診断と確定検査を経ず、抗原検査キットなどで新型コロナウイルスの感染を自分で判断して療養する「自主療養」を28日から始めることを決めた。自主療養者には無料通信アプリ「LINE」などで県から安否確認の連絡はあるが、健康管理や食事の調達は自己責任になる。