漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

もうがまんできない

■札幌市在住のフリースクール講師の方がインタビューに答えております。顔は隠しているが、これはあの人ではないか。「平田だろ、お前!」とスーパー・ストロング・マシーンの正体をばらした藤波辰巳(現・辰爾)のように名前を言いたい。いや、言ってもかまわないんだろうけど。

ハッシュタグについている「もうがまんできない」。JAGATARAの曲から取ったのかはわからないけど、もしそうなら、その曲は去年の5月によく聴いていた。

ちょっとのひずみなら
何とかやれる
ちょっとのひずみならば
がまん次第で何とかやれる
日々の暮らしには辛抱が
大切だから
心のもちようさ

■2020年5月。最初の(この表現もなんか変なのだが)緊急事態宣言が出され、2月末からの一斉休校も続いていた。こんなときだから多少の我慢はしかたない。日々の暮らしには辛抱が大切だ。そう思ってたえていたが、具体的な方針も示さず、ずっと精神論ばかり説かれちゃつらい。もらったのはペラペラの布マスク二枚。ようやく決まった一律給付金も手元に届くのはいつになるやらわからない。いや、さすがに「もうがまんできない」。

■何度も繰り返される「心のもちようさ」という歌詞。曲の半分近くをこの言葉が占める。これまで精神を病んだ江戸アケミが自分に言い聞かせているんだと思っていた。でも、きっと違う。まわりからそう言われ続けていたんだろう。考えすぎだ、もっと気楽に、散歩でもしなよ、旅行でも行けば、本を読もう、映画もいいよ、人に会おう、ひとりになろう、趣味を持とう、ボーっとしよう、なんにもしないことが大事だぜ、そう、すべては心のもちようさ。

■あのとき、あふれるステイホームでの過ごし方につくづくうんざりした。そして、勝手にアドバイスされる不登校の子供たちに思いをはせた。いや、別に不登校には限らない。なんなら子供とも限らない。ぼくらはつい自分にも他人にも我慢を強いてしまう。でも、それでなんとかなるのはちょっとのあいだだけだ。

■冒頭のアカウントを見ると、ほかにもいろんな人たちがインタビューに答えている。みんな、いいかげん我慢も限界なんだろう。日々の工夫で乗り切る話はもういい。そんなことしなくて済むよう根本の構造をどうにかしよう。見飽きたヤツらにゃおさらばするのさ!


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