■立憲民主党が衆院選挙に向け「この国に生きる全てのあなたへ」と題した動画集を発表した。109の「あなた」へ枝野代表が語りかける構成になっている。そのなかに「学校へ行けない・行かないあなたへ」というメッセージがある。
■「学校へ行きたくない」「学校がつらい」「学校が嫌い」と思うのはあなたのせいではない、大人の責任と断じ、誰もが過ごしやすい学校を目指す。そのために専門家の配置を充実させ、少人数学級を進める。学びの場は学校だけではない。どんな境遇に置かれても、どんな選択をしてもちゃんと学べる環境を整える。「あなたがあなたの選択でそれぞれの事情に合わせてしっかりと学ぶ場を確保する」そうした社会をつくると結ぶ。
■そのひとつの方策が「フリースクールへの支援」。立憲民主の政策集にも記載されている。
いじめや不登校、部活動、進路など、子どもたちの悩みや苦しみに寄り添うため、さらなる少人数学級の推進、学校現場への専門家配置、フリースクールへの支援を積極的に行います。
(立憲民主党「政策集2021」 p.113)
■たとえば自民党の政策集にはフリースクールの文字はない。不登校については「重大ないじめや児童虐待、自殺、不登校、発達障害への対策を強化するため、支援スタッフを充実し、関係者や関連機関が連携して、1人1台の情報端末も活用して、相談・支援できる体制を強化します」(令和3年政策BANK p.11)とあるのみだ。安倍元首相は施政方針演説で何度かフリースクール支援に振れていたが、いまの自民党の潮流はフリースクールから去ったらしい(でも、先日の総裁選では河野太郎がどこだかのフリースクールを見学してたな)。
■共産党の教育政策は現在準備中で詳細はわからなかった。基本は教育無償化を進めるのだと思う。フリースクールについては2004年に「フリースクールなどへの公的支援は子どもの権利を保障する上で必要不可欠な措置といえます」と答えている。まだサイトに載っているので方針転換はしていないのだろう。
■公明党は「衆院選マニフェスト政策集」のp.40~41でフリースクール支援を謳っている。さらに、「障がいが理由で不登校となっている子どもたちに対し、訪問教育による指導を充実します」だそう。「子ども・子育てマニフェスト2021」という子供向けのパンフレットでも
いじめや病気などの事情を抱えて登校できない場合でも、希望すれば学べるよう、オンライン教育やフリースクール、夜間中学などで学習できるようにします。
と書いている。
■「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」とポスターを掲げておいてあっさり反故にした政党もある。選挙公約は眉に唾して見るくらいでちょうどいいのかもしれない。フリースクール支援にもそこまで期待しているわけではないが、立憲民主の動画がちょっとおもしろかったので、ついでに調べてみた。「不登校」と呼ばず「学校へ行けない・行かない」としたあたりは勉強したんだなという感じがする。でも、「学ぶ場を確保する」理由は「あなた一人ひとりによって日本の未来があります」だかららしいけどね。その子のためじゃないんだ。「子ども省」もよくわからんしのう。(10/18夕)