漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ソクラテス七号

■金曜日の話だが、まるっと一日大通高校のソクラテスミーティングに出席していた。大人がこれまでどんな人生を送って仕事をしてきたか、講話と対話をするのだ。全部で九人の「ソクラテス」と呼ばれる大人がいて、その内二人を選んで三十分ずつ話を聞く。

■自分の話をしていると、三十歳を境目に大体人生が二分されているなと思った。三十歳より前は自分を育てる時間で、三十歳より後は社会にコミットする時間。

■高校生からは仕事の話が聞きたいというリクエストが多かった。まあ話そうと思えばそれなりに話せるから聞いてもらうのだけど、その後に話した、そういう仕事を可能にしている毎日の、なんの変哲もない時間が大事だという話を受け取ってもらえれば幸いだ。

■大人の話を大人は子供に聞かせたがるのだけど、思うに、これから後の世の中の方が49歳になった自分の過ごしてきた世の中よりもハードだろう。そんな彼らに、さも自分の人生が失敗したり大変だったりとか、どうやって思い通りに生きてきたかを語るのは、ちょっとおこがましい。むしろ、これから育つ人にその大変さを教えてもらって、こちらが学ばねばならないと思う。逆ソクラテスミーティングというのもいいんじゃないかな。(水曜日)