■駐車場に猫の頭蓋骨(多分)が落ちていた。
とっさに拾ってしまったが、さてどうするというあてもない。とりあえずクリーニングしようと家に持って帰った。
■骨のクリーニング行程はおおまかによっつ。
- 汚れを落とす
- 骨と肉や腱を分離する
- 脱脂
- 漂白
歯ブラシでごしごしこすって泥を落とす。残った肉もここで落ちるかと思っていたのだが、思った以上にしっかり骨にくっついている。調べると入れ歯洗浄剤が有効らしい。たんぱく質分解酵素が肉を溶かしてくれるのだ。
■それでも落ちないものは煮て落とす。鍋を使うのは気が引けたので熱湯を瓶に注いで毛布を巻いて保温した。保温調理の知識がここで活きた。あとは爪楊枝やらペンチやら、あらゆる道具を使って肉を剥ぐ(ここだけ読むと獄卒のようだ)。
■骨には脂が含まれているそうで、それを抜かないと虫が来たりするらしい。脱脂はアセトンという薬品を使うが、マニキュアの除光液でも代用できる。そのあと、まだ微妙に残っている腱と骨の黄ばみを落とすため、水で薄めたハイターで漂白して完成。
■もっと真っ白にしたかったのだが、骨がもろくなっているところがあり断念した。脂のにおい(ロウソクっぽいにおいがしていた)はなくなったが、しっとりしていた手触りは薄れてしまった。
■と、これで目的を果たしてしまったんだけど、さて、こいつをどうしよう。あとから気づいたが、きれいにした方が始末に困る。汚れた骨が落ちているのはまあないことではないが、これだと明らかに人の手が入っているとわかる。
■といって標本にするほどパーツが揃っているわけでなし。しょうがない、家に置いておくか。なんでも拾ってくるんじゃないと、子供のころによく怒られた。こういうことか。