漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

フリースクールとは

フリースクールってのはなんですかねー。たまに自問自答する。前にも書いたけど、俺はフリースクールという捉えどころのない業態をわりと気に入っている。あいまいな分、相手にあわせて柔軟に変化する余地がある。とかくこの世は忙しい。世間の枠から外れていることで一息つけることもある。

■2011年、第3回JDECに登壇した、アメリカはクロンララスクール創設者のパット・モンゴメリー氏はフリースクール、またはデモクラティックスクールについてこう述べた。

  • 子供は人間である
  • 人間が尊重されている
  • すべての人が同じく学べるよう保障されている
  • 学びとは過程である
  • 学ぶ人がその中心にある
  • 学ぶ人の能力や関心は第一に尊重される

これらが保障されている場所は名前のいかんによらず「フリースクール」だと。また、self-governmentが重要とも言っていた。

■といっても、並べただけではただのお題目だ。それをどうやって実現するか。仕組みができたとして、それが機能しているか常にチェックしなくてはならない。理念は自らを研ぐ砥石だ。そして、その外側には人権や民主主義といった、もっと大きな理念が控えている。それをどう実現するか。だが、うっかりすると、理念を掲げただけで「なにかした」気になってしまうことがある。自分たちは子供中心の活動をしている。なぜなら子供中心の活動をするのがフリースクールであり、自分たちはフリースクールだから。誤った三段論法。こうなると理念は自らを研がない。批判をかわす盾に堕す。「多様性」という言葉を隠れ蓑に理念ばかり掲げて内実を見せなくなる。

■という投稿を何度繰り返したことか。俺も俺で進歩がないな。ただ、「フリースクール」ではあっても「NPO」ではない(思想的に)ところがあるんだなということはなんとなく見えてきた。そして、教育機会確保法によってフリースクールフリースクールのま保存しようと画策して失敗したんだということも。