漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ゲームが変わってきたな

■利用者がフォートナイトをずっとしている時にはどうしていればいいだろうかという話を、訪問を始めたばかりのスタッフとした。やっている間中、ボイスチャットをしているそうだ。それを聴いて、もしかしすると今後は不登校やひきこもりのお供としてのゲームが無くなる可能性があるのでは、と考えた。

■ゲームは一人でずっと出来るヒマつぶしだ。それが可能なのは他者との接触が無いからであろう。攻略だって、ネットで検索したり動画を見ればわかる。誰ともコミュニケーションをとる必要は無い。ところが、最近になってボイスチャットしながらゲームをするというスタイルが、かなり一般的になり始めた。マインクラフト、フォートナイト、荒野行動、CODスプラトゥーンスマブラなど、ボイスチャットしながらやるゲームは多い。今、「あつまれどうぶつの森」をしているが、これもニンテンドー提供のスマホアプリでボイスチャットが出来る。出来るだけでなく、ボイスチャットをした方がゲームで勝ちやすかったりもする。

■こうなってくると、人と話すことにハードルがある人にとっては、ボイスチャットを必要とするゲームは辛くなりそうだ。もちろん、その必要が無いゲームもまだまだたくさんあるけれど、シリーズもので前作が楽しかったというゲームの新作にボイチャが入るとなると、選択しなくなるのではなかろうか。しかし、逆に、ボイスチャットなら話せるよ、という人も出てくるのかもしれない。そのゲームに関する話題という一定の枠の中であれば齟齬の無いコミュニケーションは撮りやすかろう。付き合いが長くなれば、話し方や考え方のクセが少しばかり強めに出ても「そういう人だから」ということで許してもらえる可能性も高くなる、とも考えられる。

■どちらにせよ、ゲームの遊び方に言語コミュニケーションが深く関り始めていることは、ゲームという新たな対人関係の場がより一層変容しているということでもあろう。2000年代初頭から存在していたMMORPGでは言語を使いこなす能力を身につけた大人が会話するという時代だったが、20年経って言語能力・対人関係構築の力が未発達な子供までが言語コミュニケーションを求められる場として、ゲームは変化してきている。その変化が不登校やひきこもりをしている人達に優しいものであるか、もっとやってみないとわからないな。さあ、遊ぼう。