漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

要検証

■日本小児科学会の出した新型コロナウイルスに関するレポートが興味深い。

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小児の新型コロナウイルス感染症に関する医学的知見の現状|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

  • 学校や保育園におけるクラスターはないか、あるとしても稀
  • 学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しい
  • 教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身を脅かしている

■曰く、「学校閉鎖を行う事は、その他のsocial distancingと比べて効果は少なく、COVID-19死亡者の減少は2~3%に留まる。一方、 医療従事者も子どもの世話のために仕事を休まざるを得なくなる事から、医療資源の損失によるCOVID-19死亡数が増加し、結果として学校閉鎖はCOVID-19死亡者をむしろ増加させると推定されている」とのこと。

■一斉休校について、決定の経緯が見えないことを俺はずっと批判している。2月26日の鈴木北海道知事による休校要請は、知事の「政治判断」で教育委員会を飛び越えおこなわれた。翌日の安倍総理による全国一斉休校の要請は「専門家の意見を聞いたわけではない」と本人が言っている。なるほど、就任一年目の会見で鈴木知事が述べたように「前例がない中」で市民の「命や健康を守るという観点から決断した」ということはあるだろう。では、「前例」とするため、あらためて結果を検証せねばなるまい。そのなかで経緯もおのずと明らかにされるはずだ。全国一斉休校を決めた安倍首相の「連絡会議」は議事録がない(!)らしいが、まさか北海道知事もおなじということはあるまい。

■いい天気の続く札幌だが、気温は若干低め。しかしリラ冷えというほど底冷えするわけでもない。気持ちのいい月末。

追記:NHK札幌放送局の特集。もろもろの内幕に触れている
www.nhk.or.jp