漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

少し先の未来を

■新型コロナウィルスの感染者が増えていく札幌。さてクマに遭う確率とどっちが高いか。そして山川くんはこの時期に本丸の東京へ乗り込むわけですな。

■中学校の相談室に来ている生徒がモザイクアートに取り組んでいて、おもしろそうだったので一枚やらせてもらった。卒業式でステージに飾る大きな絵の一部になる。

■もっとも、実際におもしろかったのは最初だけ。絵のどこの部分なのかわからなくてやりがいがないし、色を塗ればはみ出すし。仕上がりが汚くて、どんどんやる気が失われる。

■で、この「なんのためにやるのか見えない、うまくできない→つまらないからやめる」という図式は、授業でも当たり前にあると思ったわけです。違うのは、俺は大人でモザイクアートも遊びだから途中で放り出しても誰も文句言わないけど、子供が授業を放り出すと怒られる。

■見通しとかねぎらいとか、やっぱり必要なんだよね。それがいちいち個別に言わないと、一斉アナウンスでは伝わらない(伝わらなくなった?)のが先生のつらいとこなんだろうか。ちなみに俺がうまく色を塗れなくてくさっていたときは、中学生が「それくらい大丈夫です。遠くからなら見えませんよ」となぐさめてくれた。どうもありがとう。

■モザイクアートは、自分がどこを担当しているかわからなくても、できあがったときの様子を想像できる。なので、それを目当てにがんばれるかもしれないが、苦手な課目の授業だとそれも難しそうだ。「とにかく続けていたら自分(まわり)が変わった!」という鮮やかな経験がないと、目の前のつまらなさに耐えられない。この、「少し先の未来をとりあえず信じられる」ってどうやったら身につくのか、あらためて考えているところです。来生たかおにヒントがあるような気がしているのだが。♪また一日おだやかならばそれでいい Oh~

■あとは「遊び」ですかね。なんでも遊びにしてしまえば楽しくやれる。と書いていて思い出した。あれは小学二年生。冬休みの宿題に出た漢字の書き取りがつまらなくて、おなじ漢字を10だか20だか書き取るのを、漢字を一文字ずつ書くのじゃなく全マスに一画ずつ書いていたら親にひどく怒られたんだよな。自分なりの工夫だったのに。