漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

Wring that neck

■素敵な日曜日午前を過ごしていたら、朝日新聞にこんな記事が出たとネットの不登校界隈で話題になった。
www.asahi.com
有料記事だから全部は読めなかったが、JDECで話し合っていた何らかの対応策を取るという話がようやく形になったなあと感慨深いものがあった。ネット界隈では第三者の中立的視点をどう入れるのか、オンブズマン制度をモデルにするのがいいのかなど前向きな話もあれば、批判的な話も出ていて一日色々とツイッターやら何やらでやりとりもしていた。とりあえずだけど少しはほっとしていたわけです。

■が。月曜夕方に漂着教室に来たメールをチェックしたら、フリースクール全国ネット理事の一人から大意でこんなメールが届いていた。

に向けて今後検討を始めていくことは23日の理事会において決定されたが、報道にあるような電話窓口の設置が決まったというような、具体的な内容についてはまだ決定はしていない。報道内容には一部誤りがある。

え。新聞記事はど頭で「来年度にも電話相談窓口ができる見通しになった」だよ。ちょっとこれは朝日新聞に訂正を求めた方がいいレベルなんじゃないか、と思い、連絡を取れる理事らに話を聞いてみた。すると、理事会の席上出たという電話相談窓口のことを記者は書いたようだが、理事会では上記二点の検討を始めることまでしか決まってないということらしい。で、理事としては、電話相談の話はそれも含めて考えると話したので決して間違っているわけではないし、記者発表しているわけでもないから誤報ではない考えているとのこと。

■しかしこれは自分たちの首を絞めていることになっているだろう。外部から見れば、この報道の仕方は誤読のしようもなく電話相談窓口を開設すると読めるし、コメントを寄せている人もそのつもりで語ったのではないだろうか。ところが、内向きには次年度事業で検討することを検討した理事会ということになっている。これでは外部の人には、「よくやっているという姿勢を見せたにすぎない」「だましている」と受け止められても決して否定できない。少なくとも弁明が必要になるような対応をしていることは間違いない。何をやるかはこれから決めるということは何も決まっていないということなら、検討した案を正確に報道してもらえばいいところ、どうしてこんな対応をするのか、理解に苦しむ。

■この対応は東京シューレで起きた性被害の事件を受けて始まっているが、シューレはシューレとしてその対応をすればよろしい。フリースクール全国ネットワークは中間支援組織として、その事件を他山の石として会員団体のより良い運営に資する事業を行うのが本業だと思うが、それがどうも及び腰でシューレに忖度していると受け取る人もネットにはいる。シューレにべったり賛成部隊みたいな組織でないのは良く知っているが、ちょっと弱いよ。今回の話は内向き過ぎて、繰り返しになるけど自分たちの首を絞めているよ。(火曜日)


DEEP PURPLE - Wring That Neck (Live in Paris 1970)