漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ネオ・ブラボー!!

■大学二年の夏、同期三人で旅行に出かけた。おんぼろカーを駆って日高から襟裳、帯広、富良野をまわる。ラジオから流れていたのはいつもサザンオールスターズの「ネオ・ブラボー!!」だった。オリコン週刊1位、8月度月間5位。「筑紫哲也NEWS23」のエンディングソングにもなり、売れに売れた。なのに、どのアルバムにも収録されていない。

■いかにもサザンらしい軽快なロックナンバーだが、歌詞は出だしから不穏だ。

愛の夏来れば皆’高温万歳(こうおんブラボー)’
病める時を忘れて
太陽待ち焦がれた’浪漫人種(ろうまんピープル)’
闇が流れる現代(きょう)だから

二番に入っても不穏な気配は変わらず。核の影響を示唆するような箇所もある。

■この曲が発売された1991年は、1月に湾岸戦争が勃発。多国籍軍によるイラク空爆の様子が繰り返し映され、ステルス機やパトリオットミサイルといった兵器の名が連呼された。油まみれになった海鳥の写真がセンセーショナルに紙面を飾り、多額の資金援助をした日本は「人的貢献」がなかったことを非難され、派兵への傾斜を強めていく。

■バブルだなんだと浮かれているうち内外に問題が積み上がり、それでもあえて見ないふりで夏に呆けている。そんな様子を皮肉った歌に見える。アルバムに入らなかったのはすさんだ気持ちが出すぎてしまったせいかもしれない。

■メロディーが好きでよく歌っていたけれど、正直、これまであまり歌詞を気にしたことがなかった。あらためて読むと、当時よりむしろ現在の世相にあっている。リバイバル、そしてアルバム収録するならいまじゃないか。「永遠の最終形はZero」だそうだから、タイアップは「News Zero」でいかが。

ネオ・ブラボー!!

ネオ・ブラボー!!