漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

矮小危険

■5月20日北海道新聞不登校についてのコラムが載っていた。書いたのは上野良樹さんという小児科医。不登校に関する著書もある。

■学校の労働環境は「ブラック」だといわれる。その影響は生徒にも及ぶかもしれない。だからといって、あんなところには行かなくてもいいと、学校の価値をおとしめる言説が子供を救うとは思えない。学校や教育の必要性を矮小化する議論と不登校を結びつけるのは、不登校の子も登校している子も両方を不幸にしやしないか。まとめるとこんな内容だ。

■俺もおなじようなことを何度かここに書いた。ゆたぼんにも「不登校は不幸じゃない」や「学校ムリかも」にいまいち肩入れできないのは、「学校や教育の必要性を矮小化する」におい感じるからだ。おなじにおいは現政権からもする。

■学校を経由せずとも成長できるが、それは学校が通うに値しない場所であることを意味しない。改善しなければならない点があったとして、それが学校をおとしめていいことにはならない。そもそも子供が所属する場所、かかわる人を悪しざまに罵って、子供の自尊心が育つと思うのか。他人の「今」をバカにするのはよくない。学校教育に意味がないという人間は、ほかの教育でもおなじことを言うよ。目先の価値しか見ていないのだ。(まあ、学校は学校で慣例主義がすぎるところはあるけども)

■「学校好きのフリースクールスタッフ」は漂流教室を始めたときから珍しかったが、もはや絶滅危惧種かもしれない。でもね、嫌いな人間がリードする「改革」は往々にして「破壊」にしかならないと思うのですよ。