漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

Everything was there and around us.

■映画「スタンド・バイ・ミー」を観た。ドラえもんじゃなくキング原作の方。これまで何度か観たけれど、こんな児童心理のテキストみたいな映画だったっけ。通過儀礼の暗喩がちりばめられている、というか、それしかない(ほめてます)。映画のセリフじゃないけど、すべてがそこにあった。

■大人になるというのは決して当たり前のことじゃなくて、文字どおり命がけのことなんだとわかる。彼らは環境のせいで、少し急いで大人にならなきゃいけなかった。だから劇的に見えるけれど、誰でもあそこを通り抜けてきてるんだよ多分。

■前日に「ザ・ウォーク」という映画を観た。ワールド・トレード・センターのてっぺんで命綱なしの綱渡りを成し遂げたフィリップ・プティを描いた映画だ。

■プティは非合法での綱渡りにこだわる。これは「クーデター」だからと

■「スタンド・バイ・ミー」では、物語終盤、近道をするためずっと歩いてきた線路を離れる。線路を行く方が安全だという仲間の声に、ゴーディは決然と「近道をする」と言い放ち、森へ入っていく。成長とは未知の世界に飛び込むことで、レールの先や許可を得て手に入るものではない。たまたま連続で観た映画二本がおなじようなテーマだったのがおもしろかった。そういやどちらも主人公が過去を振り返る構成になっている。

■おなじといえば、「スタンド・バイ・ミー」も「ザ・ウォーク」も、仲間とあっさり別れてしまう。大人になるということは、それぞれの人生を生きるということで、子供のようにいっしょくたにつるんではいられない(『ザ・ウォーク』はみんなけっこう大人だけど、年齢と成長が一緒とは限らない)。

■誰かとずっと語りたいくらいおもしろかったんだけど、あらためて考えるときわめて「男の子的」な作品だよな。女の子の(命がけの)成長を描いた作品ってなんなんだろう。