■朝から雪、雪、雪。ひっきりなしに降っている。窓の外は真っ白。なんとなく50年代のジャズやソウルを聴きながら仕事している。
■利用者と話していて、みんな本当にテレビを見ないんだな、動画なんだなとあらためて思ったのだけど、よく考えたら、小中学生の俺もそんなにテレビを見ていなかった。俺の場合は一日一時間と制限があったからで、大晦日、紅白歌合戦の真っ最中にチャンネルをがちゃがちゃ切り替えてテレビを壊した罰でそう決められたのだった(その前にしばらくテレビのない時期があった)。
■一時間の持ち時間なんて夕方にアニメを一本、夜に一本見たらもう消える。あとの時間をどうしたかといえば、ラジオを聴いていた。魅惑の深夜ラジオ、オールナイトニッポン二部。3時に起きるために9時には寝る生活を送っていた。いま、夜中に眠い目をこすりながら配信動画を見ている中学生と、当時、イヤホンから聞こえてくる深夜ラジオに耳を澄ませていた俺は、いったいなにが違うのか。同じじゃないか。そうしたら急に彼らがあれだけ動画にはまる理由がわかった気がしたのだった。
■もちろん俺の勘違いかもしれない。ノスタルジーの押しつけかもしれない。配信動画と深夜ラジオがイコールだったとして、別に動画を見る気もない。ただ、なんとなく腑に落ちた、一瞬、彼らが近く感じたというお話。