漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

居場所カフェ

■湿った雪が降って気温が下がって、案の定、道路はスケートリンクになっている。よほど嫌だったのか、昨夜はいやな夢ばかり見た。でもセンザンコウも捕まえた。山田はこの悪路を朝から共和町へ向かっている。事故などありませんように。俺はいつものように事務所へ。祝日だけど誰か来んのかー。

■ところで漂流教室の今後の展開は「学校のなかに入り込む」ことだと勝手に考えている。相談支援パートナーもその一環だ。すでにいくつかの高校では「高校内カフェ」と称して、NPOが空き教室や図書室などを借り、校内のサードプレイス設置を始めている。そんな活動をしている三名の話を聞きに行った。

■大阪で高校内カフェを開く田中さん(officeドーナツ)は高校にカフェを置く意味として、

  1. 安全・安心な場所の提供
  2. ソーシャルワークへの入口
  3. 文化の提供

のみっつを挙げた。継続のためにはコンセプトがなにより大事であり、それをはっきりさせないと活動がどんどんぶれるとも語った。この点、北星余市の「進路カフェ」は勢いで始めた感がある。きちんとコンセプトを固めよう。ネーミングや、ロゴも考えよう、反省。

■横浜のぴっかりカフェは多いときで300人くらいの生徒が来るという。そこに先生が来ることもある。「先生と生徒の出会いなおしの場にもなっている」とNPO法人パノラマの石井さんは言う。この言葉が一番心に残った。担任もクラスメイトも生徒には選べない。器として与えられた人間関係を、血肉のあるものに変えていかねばならないのだが、いまの学校の余裕のなさは、緩やかな変化を待っていられない。いきおい関係は硬直する。

■高校は、子供が社会に出る前の最後の教育機関となる。高校にカフェ設置する意味はそこにあるが、札幌の大通高校で「ドーリプレイス」を開く松田さん(さっぽろ青少年女性活動協会)は中学校にも必要なのではないかと説く。入学はしたが、高校にはまったく来ないで辞めてしまう生徒もいる。中学校に「居場所」がほしい。この問題意識は俺が思うことと一致する。

■聞けば西東京市では中学校対象に「放課後カフェ」という取り組みをしているのだそうだ。札幌にはすでに相談支援パートナーという仕組みがある。これを拡大して中学校内カフェを開くこともできるのではないか。

■参加したのは「居場所カフェサミット」というフォーラムだが、前日にはおなじメンバーで「劣化する支援」というシンポジウムを開催している。そちらは山田が参加したので、おっつけ報告があるだろう。