漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

訪問を振り返って(保護者の立場から)

■このところ、漂流日誌によく目を通しています。暫く読んでいない時期もあったので、少しずつですが過去のものも遡って読むようにしています。読み進める中で色々と触発され、息子が訪問を受けていた時のことを、どうしても書きたくなりました。

■当時来て下さってた二人の学生さん(Aさん、Yくん)には、本当にお世話になりました。

■いつも訪問時は息子と一緒にリビングで過ごしてもらい、私はその間廊下を挟んだ奥の部屋に行ってました。部屋のドアは閉めてありましたが、会話が盛り上がると声も弾んでこちらまで響いてくるのです。もちろん内容までは聞き取れませんが、声を通してうかがい知れる楽しげな様子に、思わず私もニッコリ。週に一度のその1時間には、親の立場ならではの?何か不思議な特別感がありました。

■あと、訪問3年目頃のことでしたか…「訪問中のまさかの昼寝」! 私も経験しました。訪問て、こちらからすると来客ですから、本来は多少なりとも緊張を伴う場面のはず。にもかかわらず寝落ちしてしまったことは、自分でも驚きでした。やはりその頃には、私も余程打ち解けて訪問を受けていたのだなぁと思います。

■また、こんなこともありました。ある日学校から帰った息子の表情が冴えない。さては学校で何かトラブったな…。ところが何があったか聞き出そうとしても、記憶が時系列に並んでいない上、一時的に「削除」されたものも幾つかある模様。不毛なやり取りが続くうち、私の苛立ちは次第に募り、ついに爆発寸前にまで追い込まれたその時…

♪ピンポーン

訪問の日でした。その時の息子のホッとした顔。あれは忘れません。いつもと変わらぬ訪問が、思いがけず息子と私をピンチから救ってくれたのでした。

■AさんもYくんも、誠実で心根の優しい若者でした。私も訪問を楽しみにしていました。来てくれると家の中の「空気」が変わるのです。何というか、ふわりと軽やかになる感じ。今でも時々息子との会話の中に、AさんとYくんは登場します。当時を思い出すたび、懐かしくあたたかい気持ちになります。冗談を思い出して吹いたりすることも。

■息子のお喋りに付き合ってくれてありがとう(私のお喋りにも付き合ってくれてありがとう)。一緒に笑ってくれてありがとう。雨の日も雪の日も、毎週通ってくれてありがとう。最後の訪問から約5年経った今、改めてそう言いたいです。