漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

教育にかかわる仕事

■「LITALICO×Teach For Japan〜教育を仕事にすること〜」なるイベントに出てきました。といってもメインは大学生で、漂流教室のボランティアをしている学生がふたり登壇する、その補佐として呼ばれた形です。

■いま教育学部にいる。教員免許は取ったが教師になるかどうかはわからない。そんな学生に「教育にかかわる仕事」の選択肢を提示したいというのが企画意図で、第一部はNPOから教員、民間会社とさまざまな教育現場で働いてきた人の講演。第二部は、教育に携わる活動をしている大学生三人のパネルディスカッションでした。参加者は50名ほど。ほとんどが大学生で、熱意ある学生がこんなにいるんだなという感心する一方、それだけ進路に迷う分野なんだなという気にもなりました。

■「学校の先生は社会のことを知らない」という謎の批判がありますが、教師だってひとつの職業で、立派に社会の一員なのだから「社会を知らない」という指摘は的外れです。「先生は社会のことを知らない」と言う人は、その言葉で教師を「自分たちとは別だ」と社会から排除している。こんな文句がまかり通っている世の中はあまり暮らしやすいとは思えません。そのせいで学生が職業選択に悩むのならなおさらに。

■そんななかで、臨時免許状などを利用して教員免許を持っていない人を学校に送り込む、「Teach For Japan」の活動は面白いと感じました。「社会を知っている人を教員にしよう」ということではなく、「教師のことを教師じゃない人に知ってもらう」方法として。

■「キャリア」の語源は「わだち」であるという話や、「キャリアの8割は偶然によって決定される」という理論の話など、漂流教室の活動を裏づけるような話もありました。毛色の違うところに行くと思わぬ発見がある。企画して誘ってくれたボランティアスタッフに感謝です。(12/18夜)