漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

新たな言葉を探している

■祝日のため、普段はいない木曜に漂着教室に来ています。みんなでごはんをつくっている。今日は石狩鍋だそうな。おいしそう。

補助金やらgooddoの応援金やらで、新しいアイテムが増えてきています。ここでも少しずつ紹介していきます。

■先週の不登校相談会の振り返り。やはり学校復帰の圧力は強まっているもよう。相談指導教室や別室登校の利用について、今年度から突然「いつまでもここにはいられない」と言われたという話があった。教師やスクールカウンセラーが追いつめるような「指導」をしてくるという話もあった(それは『カウンセラー』なのかな)。10年前、20年前ならいざ知らず、今のことだ。これまで教育行政とのあいだに積んだ経験値が失われている。

■それでひとつ気になることがある。昨年度から、特に市外からのフリースクール利用に対し、出席扱いにしないケースが増えている。道教委に質したところ、「出席数がすべてではない。子供の将来に資することが重要で、出席扱いにするかどうかにそんなにこだわらなくてもいいのではないか」と返事がかえってきた。(それなら不登校の調査自体やめたらいいのに)

■この変化はなにを意味するのか。不登校の切り分けがなされているのじゃないかと危惧する。基本は強い復帰指導を。よそへ、たとえばフリースクールへ行くならそこに丸投げ。発達障害なら病院へ、または特別支援教育へ。それは配慮に似せた排除に近い。

■でも、とも思う。もしかしたら、別に悪意はないのかもしれない。不登校というシステムから外れたものを、再びシステムのなかに回収しようとしたら、区分けして囲い込むしかできないのかも。そして、フリースクールや親の会が言ってきた「個人個人にあわせた教育」「多様な教育機会の保障」といった言葉は、「システムでの位置づけ」を求めている。実は願いは叶っていたのかもしれない。その先への想像が及ばなかっただけで。

■ということで、絶賛悩み中。さて、どうしたものか。次の段階に向けた新しい言葉がまだない。