漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

見たいものを見ているのです

■今月初めにあった合同教研で、今更ながら感じたことを書いておく。

■自分の出た分科会は「子ども・子育て」で、これまでずっと出ていた分科会は「子ども・青年の発達と教育」だった。この二つを比べると、子育ての方は生まれてから青年に向かう方向性で教育を眺め、発達と教育の方は青年時代をゴールにそれまでを振り返るような眺め方なんですね。すると、ちょうど中学校あたりで丁度問題が出会う感じ。

■子育ての方は「どう成長するのか」という問いを持ち、発達の方は「どう成長してきたのか」という問いを持っているという心象。まああくまで印象なんだけれども、二方向から子供時代を捉えている分科会だから、二つが合同で分科会を開くといいのではないか。

■そして、どちらも「青年」という区切りをつけようとして、失敗している感じもある。「青年」という区切りが社会に出ることあるいはその単純化されたマークとしての就職・進学に囚われている感じ。就職にせよ進学にせよ、大人であるという基準ではないのは了解しているけれど、それ以外の問題点であったり大人としての成熟を考える時に語られるテーマが暗に就職・進学とつながるためのものだったりする。「人間関係構築」とか「発達障害」なんてテーマを就職・進学から離れて語ることはできるか。例えば、ネットゲーム内での人間関係構築とか、発達障害の中で恋愛はどうあるか、などなど。

■多分中学あたりのお年頃には、就職・進学とは違う、生きる上で個人が絡むことになるテーマがたくさん出てきていると思う。漂流教室がやってきたことを振り返る時、そうしたテーマを扱っていきたいものよ。(火曜日)