漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

イリイチ会お知らせと、議論のこと

■こんにちは。スタッフの小松です。今日は、イリイチ会の告知をいたします。それと、テーマにする本についての迷いを。

  • 日時:2月1日(日)17:00〜(午前から始まるボードゲーム部の後に、人がある程度集まり次第開始します)
  • 場所:漂着教室

■取り扱う本は、福澤一吉『議論のレッスン』を予定しています。が、少し迷っています。

議論のレッスン (生活人新書)

議論のレッスン (生活人新書)

■この本を扱おうと思ったのは、私が主催できるおそらく最後のイリイチ会で、議論はそもそもどうあるべきかをみんなで考えたかったからなのです。でも、すこし読み進めるうちに、いままでやってきたイリイチ会は、そもそも「議論」が目的ではなかったのだなあと思い始めました。

■この本で想定されているのは、一つの意思決定や物事に対する合意形成を、複数人の意見を(反対意見の存在を前提として)すり合わせて行うプロセスとしての議論。そのために、論点を明確にして、主張の裏付けを述べ、質問には正確に答える…などのルールが書いてあります。

■でも、いままでのイリイチ会を振り返ると、それとは随分違うのですよね。ひとつの話題をきっかけにして、それぞれが感じたことや経験を喋って盛り上がる会になることが多くて、私はそれをとてもいいなと思っていました。もちろん、話題提供者はある程度の主張や論点を持っていますし、それについてその場での合意を形成するための議論のようなものが発生することはありますが。

■イメージするなら、こんな感じでしょうか。

■うーん、うまく書けませんが、議論はテーマからのズレを嫌いますよね。当然ですが。しかしむしろイリイチ会は論点のズレこそを歓迎していたのですよね。思わぬところで思わぬ話題が繋がり、同じ場にいてもそれぞれが持ち帰る思いが全員違う。

■ということで何が言いたいかといえば、イリイチ会でこの本を取り扱うのは無意味ではないですが、ちょっとナンセンスかなあと。何人かにはこの本をやります! と宣言してしまっていたのですが…(笑)

■なので、いつも通り教育周辺のトピックを取り上げた本を探そうかな、とも思っています。おすすめがあったら教えてください! 決定したらFacebookでも告知いたしますね。

■先にも書いたように、私が主催できるイリイチ会も今回で最後になりそうです。だから、なんて言うとおこがましいですが(笑)、みなさん奮ってご参加ください。本をきっかけにおしゃべりするのは本当に面白いです。初めての方も、ほんとに、ぜひ! おまちしております!