漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

見学報告

■JDEC一日目は参加せず、埼玉のふたつの団体を見学してきた。

■一件目は越谷らるごフリースクールりんごの木。越谷市でもう25年も続けている老舗のフリースクールだ。ほかに自立援助ホームと「ほっとりんご」という成人向けの居場所を運営している。

せんげん台駅を降りて徒歩一分のビルのワンフロアにりんごの木はある。在籍40名ほど。音楽室や談話室、キッチンなど七部屋にわかれている。ここに移る前は一軒家の二階を借りていたという。一部屋しかなかったので、目は届いたが、どうしても今いる利用者のカラーが出てしまう。それに合う子はすぐ馴染むし、合わない子は二度と来ない。部屋が増えたとことで、それぞれの「居場所」ができて利用者が増えたとスタッフが話してくれた。それはとてもよくわかる。漂着教室がまさに一部屋の状態だからだ。せめてもう一部屋あればな。いや、札幌市の補助金で場所を借りることは可能なのだが、一年しか家賃を負担してくれない。一年後、二部屋分を稼ぐほど利用者を増やせるだろうか。思案のしどころ。

■常勤スタッフは5名。火曜と日曜が休みというスタイルが面白い。火曜日を休みにしたら、一日自由に過ごせそう。土日ってなんだかんだと結局用事が入るからね。

■二件目はさいたまユースサポートネットの事業「たまり場」。公共施設を借りて毎週土曜日、13時から16時まで開催している。二部屋を借りてひとつは勉強部屋、もうひとつはのんびり過ごす部屋と使い分けている。10代から30代までなら誰でも無料で利用できる。外国人でもOK。さいたまユースサポートネットはサポステなどいくつかの委託事業を受けているが、この「たまり場」だけは自主事業だ。なので、委託事業にある利用者の枠組みがない。

■この日は20名くらいの利用者が来ていた。中学生が多いようだが成人もいる。スタッフも学生から年配の方まで幅広い。人数もほぼマンツーマンで対応できるくらい揃っている。

フリースクールを始めるのに、お金がないので最初は公民館などの部屋を借りてスタートするということがある。「たまり場」を見ていて、これはフリースクールだなと思った。利用の枠がない。居場所と学習。サポートに徹するスタッフ。それで無料だもんね。考えてしまう。とはいえ、委託事業で回っているからこその無料事業なわけだけど。

■りんごの木は部屋数、たまり場はスタッフ数が利用者の増加を支えている。多様さが物理的に保障されている。なので、茂木さんが来てくれてよかったと思うわけです。ほかのボランティアスタッフもちょくちょく顔を出してほしい。

■たまり場は学生スタッフがかなり運営に関わっていた。そもそもその秘密を知りたくて行ってきたのだけど、こちらもそれなりに感触あり。