漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

失敗譚

■来週の火曜に北星余市高校の三年生相手に話をする。20代の、要はフラフラしてたころの話だ。昨年、このテーマで講演をして(その後ダボハゼの会でも話した)、それを聞いた北星余市の先生が、同じ話を生徒にもしてほしいと打診してきたのがきっかけ。

■どうも北星余市では最近、生徒向けに失敗談を集めているらしい。知り合いも先日、講演してきたと言っていた。前にも書いたかもしれないが、失敗はデータベースだ。それを下敷きに次の行動を決める。だからデータ収集のためになるべく失敗した方がいいのだけど、もれなくダメージも負うので積極的に失敗しようとする人は少ない。特に、一度の失敗が致命傷になるような世の中では。

■他人の失敗を聞きたがる利用者は結構いる。なんだろうなーと思いながら話してたのだが、あれってほかの人の経験を基に失敗データベースをつくってるんじゃないかな。この世界はどこまでが大丈夫で、どこからが許されないのか。自分で確認するのはまだコワい。だから他人の話を聞くことで推しはかろうとしてるのでは。よく考えたら童話や昔話も同じ役割を担っている。

■北星余市が生徒向けに失敗談を集めてるのも、そういった魂胆があるのかもしれない。思えば俺もたくさんのダメストーリーに支えられてここまで来た。内田百間色川武大東海林さだお鴻上尚史、原田宗徳、穂村弘大槻ケンヂetc…。あんな人でも生きていけるんだと安心し、おそるおそる一歩を踏み出す。諸先輩には及ばないけれど、それで誰かが歩きやすくなるのなら、俺は俺のまわりでちょっとずつでも失敗談を敷き詰めていこうかな。

■そしてみなさん、自分の失敗談はまとめておくといいですよ。後からお金になるかもよ。フフフ。

■事務作業が一段落したので息抜きに早めの日誌更新。今日は19時から漂着宴会です。