漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

増加→改善神話

中教審では小中学校の授業時間を現行の指導要領から増やす方針を固めたという。早ければ2011年度からの実施で、総合学習の時間を少なくてしてその分を必修教科に増やすとのこと。何を求めて授業時数を増やそうとしているのかといえば、「現在の教育に関する主な課題」に見える、「■子どもの学力■教員をめぐる課題■理数教育」といった課題を解決するためなのだろう。しかし、議事録がまだ見えないのでひょっとすると違うかもしれないが、学力向上のために何をどうするか考えた結果、総合学習の時間を削るに至ったのかはなはだ疑問だ。もし、例えば時間を増やすと同時に内容も増やすなら、教員をめぐる課題で指摘されているような残業時間の問題に結びつくことはないだろうし、どうも、時間を増やしてから中身を考えるという本末転倒な議論をしているように見えてならない。

■「○○を増やせば□□は改善される」という話が教育には多すぎる。曰く「カウンセラーを増やせば不登校は改善される」「教員を増やせば残業等の労働問題は改善される」「地域の見回りを増やせば子供の安全は強化される」のように。何かを増やすとは何を行おうとしてのことなのか、結果として期待しているものにたどり着くのはどうしてなのか等、考察せねばならないことはたくさんあるだろうに、これまでの政策検討を行っている議事録を見たところでは全然話されてない。直感だけで動くのでは、公費をかけてエラい人が討論している意味が無い。大人ってこんなに深くものを考えられるんだ、と子供に見せつけるくらいのつもりで議論してほしい。

■漂着教室は、火曜にいつも来る子が一人休み。なんとなく違和感のある火曜日。