■会場は8割程度の入り、60人といったところか。講師は北海道医療心理科学部教授の坂野雄二氏。認知行動療法の第一人者と聞く。
■着いた頃はちょうど「ストレス反応」について話していた。ストレスを感じると、例えば不機嫌/怒りや、抑鬱/不安、無力感などなどの反応が出る。ストレスを与えるものとの因果関係を調べれば、何がどの反応を引き起こすかもわかる(例えば、教師がストレス要因のときは不機嫌/怒りといった反応が表れ、学業が要因の場合は無力感、身体症状といった形で表れるそう)。ところが、同じストレス要因に晒されても同じ反応が出るとは限らない。ストレスを和らげているものは何か。認知による方法と、行動による方法とがあるという。
■認知による方法は、要するに「ものは考えよう」ということだ。出来事が不適応感を強めるのではなく、出来事の理解の仕方が不適応感を強める。脅威に対し、なんとかなると思える人は感じるストレスも弱い。反対に、なんともできないと考える人はストレスを強く感じる。では、どのようにすれば理解の仕方を変えることができるのか。そこから先は専門的になりすぎるからか、説明がなかった。そこが知りたいのに。独自に学ぶしかなさそうだ。
■ついで行動による方法。ストレス対処行動を「コーピング」と呼ぶらしい。そのひとつに「ソーシャルサポート追求」というものがある。要するに、誰かに手伝ってもらうということで、直接的な支援、情報提供、情緒的な支えといったもので、これは「漂流教室」でも行っていることだ。
■ところが、ソーシャルサポートにはもうひとつあって、それが「サポートへの期待」だという。しかも、これが一番重要だというのだ。つまり、実際にどういうサポートを受けているかよりも、他人からサポートをもらえるという期待を強くもてることが、ストレス緩和に役立つのだそうだ。これは「漂流教室」の今後の展開を考える上で非常に参考になる。宣伝方法にも応用できそうだ。
■その他、細かいところで、同じことを考えてるな、俺の考えてたことは間違ってなかったんだ、などなど確認できたことも多かった(勘違いかもしれないが)。それはまた追々と。(9/2昼)